眠れない僕の回想。
世界の悲しみを一度に引き受けている感じがする。
僕が幸せになって、相対的に不幸せになった人を僕は知っている。
僕は親指だ。ずっと異端なんだ。
僕は察することが出来ない。
僕は目の前のことしか出来ない。
人生。人生で最初にこさえた名前。
それだけが僕の全てだ。
ごく普通の人間には興味がない。
泳げない。教頭の顔を蹴った。
暴れた。背浮きが出来なかった。
忘れ物が多かった。何度も、立って授業を受けさせられた。
なんで皆こんなに怒るのかわからないので、
しゅんとしたり泣いたり頭の中の別世界に逃げ込んだりした。
同級生にもたびたび怒られた。
怒られるのが日常茶飯事になっていた。
校庭に咲く花が好きだった。
飼育している鳥が好きだった。
皆の分のゴーヤの種を集めた。
音楽室の、ツリーチャイムが好きだった。
バッハとかの自画像は、少し怖かった。
踊り場の、手すりのとことか好きだった。
雲梯のスタート地点とか。
もっと戻ろう。
馴染めなかった。
日本昔ばなしのEDとか好きだった。
弟を引き連れて公園でいっぱい遊んだ。
ゲームのルールを勝手に作って、その中で遊んでいた。
目の前の公園が全てだった。
祖父母が家に来た時、藤一番に連れていきたくて歩いていったんだけど、遠くて途中で泣いた。
水風船を買って貰えた時は嬉しかった。
店が暗かったから、きっとワガママ言って閉店後に買いに行ったんだね。母さんごめんよ。
ばあちゃん家行く時は、ちゃんと信号を守る道で行った。
危なっかしくてしょうがなかったんだと思う。
ヨーヨーで窓ガラスを割った。
襖なんて穴が開いて貫通してた。
でも楽しかった。
そんなところかな。じゃーね。明日の僕も、幸せになれるといいね。無理しないでね。またいつか会おうね。ばいばい。